動物愛護の運動が各国でどのようにして起こってきたのか。
1.イギリスに始まる動物愛護運動
<社会的背景>
18世紀 産業革命
→都市化が進み、労働者階級の人たちの娯楽として、ウシいじめ、クマいじめ、闘鶏など
動物を苦しめて楽しむものが盛んとなる。
また馬車を引くウマも過酷な労働を強いられる。
→この様な状況を危惧した上流階級の主導により、文明国の名にふさわしい国にするべく
動物虐待防止運動が起こる。
1822年 マーチン法(「家畜の虐待と不適当取扱い防止条例」)成立
→世界史上で最初の動物虐待防止法。
1824年 動物虐待防止協会(SPCA: Society for the Prevention of Cr uelty to Animals)設立
→1840年 王立(Royal)の名を用いることが許され、王立動物虐待防止協会(RSPCA:
The Royal Society for the Prevention of Cruelty to Animals)となる。
1835年 ブル・ベイティング(bull-bating:ウシいじめ)の禁止
2.アメリカへの伝播
1866年 ヘンリー・バーグがアメリカ動物虐待防止協会を設立。
動物虐待法を成立させ効果をあげる
→子供の虐待を防止する法案についても成立させる
3.日本への伝播
1902(明治35)年 広井辰太郎が動物虐待防止協会を設立。
→また、道路に牛馬の
給水槽を作ったり、機関誌『あはれみ』を発行して、動物愛護の精神の普及に努めるなどして
動物愛護活動を行う。
→1908年 動物愛護会を設立(動物虐待防止協会の名称変更)
1905(大正4)年 新渡戸万里、バーネット大佐夫人が日本人道会を作る。
→動物愛護活動の対象がウシやウマなどの使役動物であり、日本にはもともとひどい
虐待がなかったこと、また、この運動が一部の上流階級の人のものであったことや
戦争が起こったこともあって、動物愛護についての一般の人々の関心が高まらず
運動は衰退。
→第二次世界大戦後・・・
1948(昭和23)年 ガスコイン駐日イギリス大使夫人などにより、社団法人日本動物
愛護協会(JSPCA: Japan for the Prevention of Cruelty to Animals)が設立
→その後、社団法人日本動物福祉協会、公益社団法人日本愛玩動物協会、社団法人
日本動物保護管理協会などが次々と設立される。
以上
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