1.消化液と消化酵素
消化液に含まれる消化酵素には以下のようなものがある。
消化液 | 消化酵素 |
---|---|
唾液 | プチアリン |
胃液 | ペプシン |
胃リパーゼ | |
レンニン | |
膵液 | トリプシン |
キモトリプシン | |
カルボキシペプチダーゼA、B | |
膵アミラーゼ | |
エラスターゼ | |
膵リパーゼ | |
ホスホリパーゼA | |
ヌクレアーゼ | |
リボヌクレアーゼ | |
デオキシリボヌクレアーゼ | |
腸液 | エンテロキナーゼ(十二指腸) |
アミノペプチダーゼ | |
ジペプチダーゼ | |
マルターゼ | |
ラクターゼ | |
スクラーゼ | |
腸リパーゼ | |
ヌクレオチダーゼ | |
ヌクレオシダーゼ |
2.食べ物のとおり道
- 口腔(こうくう)
食物の取り入れ口(消化器の入口)。
歯でかみ砕かれ、唾液(だえき)と混ぜ合わされ咀嚼(そしゃく=口の中で食物
をかみ砕くこと)される。十分に咀嚼されると飲みこみが可能になり、舌によって
食道へ送られる
→食物や飲み物を飲みこむ運動を嚥下(えんげ)運動という
<歯について>
哺乳類・・・切歯(門歯)、犬歯、前臼歯、後臼歯の4種類がある
※歯(永久歯)の数~例~
-人:32本
-犬:42本
-猫:30本
-ウサギ:28本
爬虫類・・・全て同じ形
鳥類・・・歯はない - 食道
内壁の食道腺から粘液が分泌されて食物をなめらかに通過させる。
鳥類においては、食道の一部が拡大した「そ嚢(のう)」があり、食物を一時的
に蓄える
→ハト(雌雄の親鳥)が雛に与える「ピジョン・ミルク」は、繁殖期から哺育期
にかけて「そ嚢」の内壁の一部が増殖肥大して脂肪を蓄積し、これがはがれ
落ちたもの - 胃
食物が入ってくると収縮と拡張を繰り返し、物を細かくするとともに胃液と混ぜ
合わせる
-ウシなどの反芻(はんすう)類・・・第一胃~第四胃の4室に分かれている
-鳥類・・・一般的な胃の役割をもつ腺胃と、飲みこまれた砂や小石とともに
食物をかき混ぜて消化する筋胃の2つの部分に分かれる - 小腸
十二指腸、空腸、回腸に分かれる。
食物の消化だけではなく、栄養分や水分の吸収がおこなわれる。
長さは、肉食動物では短く、草食動物では長く、雑食性の動物(人など)では
中間ぐらいになっている。 - 大腸
結腸と直腸からなり、小腸から流れ込んだ消化物(食物)の余分な水分を吸
収し、食物繊維を主体とした糞便となる。
小腸と大腸との間に盲腸が付属している
→草食動物では巨大に発達、肉食動物では発達せず痕跡をとどめる程度 - 肛門
消化された食物の残りかすである糞便が出される出口
※鳥類、爬虫類には肛門がない
→糞と尿の排泄器と生殖器を兼ねた総排泄腔になっている
3.消化液
- 膵臓(すいぞう)
膵液を十二指腸に分泌するとともに、膵臓のランゲルハンス島から血糖値
の調整にかかわるホルモン(インスリンなど)を分泌する - 肝臓
胆汁を分泌する(→胆嚢で濃縮された後、十二指腸に送られる)。
また、体内に取り込まれた有毒物質を無毒物質に変換したり、尿素の合成
をするなど、さまざまな役割を果たす
<腸で吸収された栄養分の流れ>
絨毛(じゅうもう)にある毛細血管より吸収
↓
門脈
↓
肝臓
↓
心臓
↓
全身へ
4.3大栄養素
- 炭水化物
唾液と膵液により分解され、主にグルコースとして吸収され、門脈を通りグ
リコーゲンとして肝臓に一時蓄えられる
→必要に応じて再びグルコースとなり、エネルギー源となる
(細胞内のエネルギー生産過程である解糖系やクエン酸回路の主要な燃
料) - たんぱく質
胃液と膵液に含まれるペプシンやトリプシンによりアミノ酸に分解され、小
腸で吸収されると門脈を通って肝臓に送られる
→新しいたんぱく質や酵素の合成に利用される - 脂肪
膵液(膵リパーゼ)によりグリセリンと脂肪酸に分解され、小腸で吸収され
てリンパ管に入る。リンパ管が集まり胸管となり、鎖骨近くで静脈に合流し
て心臓に流れ込み、全身に送られる
→余分な脂肪は皮下脂肪などの形でエネルギー源として蓄えられる
以上
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